熊野の岩場(大丹倉・大蛇峰)偵察記

2003年7月12日
万福


 7月号の「岳人」に載っていた熊野の大丹倉フリーのマルチルート「freedom in exile」285m 5.10bは、大台ヶ原の「サマーコレクション」より迫力があって面白そう。開拓者の杉野氏が自費出版したルート図をレべル10のお客さんの吉田さんのご好意で入手できたので、大蛇峰(一枚岩のスラブ約100m)と合せて偵察に出かけることにした。

 5時半、自宅出発。天気予報どおり、朝から雨。国道309号から169号へとひたすら熊野を目指す。奈良と三重の県境を過ぎたあたりから雨が止み、晴れてくる。9時頃、県道52号沿いの大丹倉東面展望所到着。ここからはルートのある西峰や中央峰は見えないが、絶景である。看板の解説によると、高さ200m、火成岩にて構成され、柱状節理が多く見られるらしい。ちなみに熊野市指定天然記念物とある。展望所に車を置き、約10分ほど県道を下ると、西峰から流れる沢があり、その手前の踏み跡を登って行く。沢からあまり離れないように15分程登ると、西峰の真下に出る。取付に2本ボルトが打ってあり、はるか上部には大ハングがおおいかぶさっているのが見える。ここのルートは「junkie world」310m 5.12bと「free loader」330m 5.11aの2本、下部は共通らしい。1Pは5.10cとなっているが1ピン目が5m程上、2ピン目はさらに5m程上。おまけに樹林帯で日が当たらないので濡れている。中央峰へ壁際を移動し、別ル―トを偵察。「november steps」235m 5.11bと「hard liner」250m 5.11bの取付を確認。こちらも下部は共通、1Pは5.10bとなっているがピンは遠い。日が当たるので濡れていないのがせめてもの救いである。西峰取付きに戻り、少し下の踏み跡を東面側に移動する。東面手前の尾根部下部が今回の偵察目的「freedom in exile」の取付きだ。下部共通のルート「tequila sunrise」245m 5.11cA1もある。ボルト2本にシュリンゲが掛かっているのですぐ分かる。1Pは5.9 30mボルト3とあるが、確認できる範囲にはピンが見当たらない。杉野氏の解説にグランドアップにて開拓とあったが、なるほど上部の高難度ピッチにはそれなりにボルトが打ってあるが、下部のやさしいピッチには必要最小限のボルトしかない様である。フリールートであるため、トラバースも多くセカンドも大変そうだ。おまけに岩が脆いので、補助のプロテクションも取れそうにない。ましてやハーケンなどはもっての外であろう。かなりの覚悟で取付く必要がありそうなルートだ。大丹倉を後にし、大蛇峰へ向かう。国道42号バス停舟石に駐車し、登山道を登る。途中から登山道より別れ、踏み跡をたよりに沢を渡り、谷をつめて行く。10mほどの高巻きなどしながら、尾根に出て登りきったところが第3スラブ(50m)の取付部、駐車場から40分程。壁際の踏み後を右へいくと第2スラブ、第1スラブ(100m)となる。開拓者が同じ人物で、グランドアップにて開拓ということは、必要最小限のボルトしかないという事は予想していたが、予想は的中していた。ただ、大丹倉と違い岩は脆くなく、壁が寝ているので遠いけれど次のピンが見えているのが心の支えになる。(スラブだから当たり前か)インスボンのトレーニングにはうってつけかもしれない。8月末に行ってみませんか?ちなみに両岩場ともボルトはぺッツルです。(ただし手打ちらしい)1時半に現地出発。5時自宅着。距離はどちらの岩場も片道150km程、ただし山道ばかりで疲れるので1泊したほうが良いでしょう。


(万福)